12月号に6ページ、一番紙面を割いたトマトをはじめ、トウモロコシ、カボチャ、サツマイモ、カリフラワー、キャベツ、ネギについて品種の話を書いています。どの農家さんもそうでしょうが、各野菜についてすべての品種を試すことはできないので、今までの中でのベストチョイスを書いたまでです。難しいのは、もっと良いものがあるのではないかと冒険すると失敗し、元の品種に戻るといったパターンがあることです。
それにしても編集者によってこうも対応が違うものかと驚きでした。前回の編集者は文章中不明な箇所があると何度も細かく訊いてきて、読者に誤解や理解不足がないように丁寧に校正していたのですが、今回の編集者は原稿を送ってから一度も連絡なし、突然できあがった本を送ってきたという具合です。文章を読むと、適度に、そして勝手に変更や削除、あるいはこちらが意図しない表記がされていました。
ずいぶん前に、本業の中小企業診断士として経営専門誌に執筆した際、とんでもないことがありました。送った原稿に対してことごとく文句を付けてきて、その内容・表現・話の流れについて修正を求めてきたのです。もともと編集者が知らないはずの経営の現場での実例を記したのに、「それはおかしい」「それはわからない」といった論調です。
結局編集者の意のままに大幅に修正されましたが(こちらでは直す気はなかったので)、それ以来その出版社の仕事は一切していません。ある意図を持って記事を載せたいのなら、経営の現場にいる専門家に対してはインタビューだけをして記事は編集部で書けばいいのです。また、文章をよく読めば当たり前にわかることをわからないというのは、単に読解力がないのではないかと思ってしまいました。
今回の執筆ではただ無反応だったということでそれほどではなかったですが、いずれにしても、いつもこの本の内容の濃さには驚かされます。全国の農家さんは実に様々な知恵を持っていろいろな取り組みをしていることがすごくよくわかります。
少し前に、画期的な農法を紹介するという書評に惹かれて買おうかと思っていた本について、ネットで読者の感想を読んだところ、著者は完全に農業の素人で、全国の農家をバカにしているというコメントが相次いでいました。もちろんそれで、その本を買うのはやめました。