2010年03月18日

長いお別れ

学生時代、レイモンド・チャンドラーの小説を夢中になって読んでいました。その代表作である「長いお別れ」に、「さよならを言うのは少しの間死ぬことだ。」という台詞があります。訳者によって微妙に表現は違うようですが、原文は「To say goodbye is to die a little.」で、これを「少しの間」としたところが適切であるかどうかにかかわらず、私はこのフレーズが大好きなのです。

知人や友人、あるいは親族でも、前回会ったときからしばらく会っていないことがよくあります。それはその人が生きていても死んでいても同じことで、中には結果的にもう一生会うことのない人たちも多くいるわけです。その意味で、人にさよならを言うのはもう一生会えない可能性がある、死ぬことと同じであると理解しているのです。

その逆に、実際に生きていようが死んでいようが、その人が心の中に生きているということはよく言われますが、まさにそうだと思います。生きていても自分のことを認識できなくなったときには実質的に自分の中ではさよならの状態であり、実際に死んでもその状態にあまり変わりはなく、相変わらず心の中に生きているのです。

そんな一週間でした。
posted by bourbon_ueda at 00:00 | Comment(0) | 田舎暮らし
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