2013年12月26日

久しぶりに面白かった経営本

仕事柄経営に関する本をよく読みますが、たいていは学者の研究成果や成功した経営者の理論など堅いものが多く、ためにはなるけれど読むのに苦労するなというのがいつものパターンです。その中で、今回読んだDeNA創業者の南場智子さんの著書「不格好経営」は、面白くてどんどん読み進めてしまいました。

成功した経営者の体験談なのですが、その中身は筋の通った経営理論というよりは失敗談の連続、よくここまで会社が大きくなったなといった印象です。その中で私が特に共感したのは次の三つ、いずれも同じような立場にいた身から非常によくわかる指摘です。

・「誰」ではなく「何」を重視する
例えば、社内での役職が低い者の改善提案に「お前に言われたくない」と一蹴してしまったり、単に好き嫌いから「あの人の言うことは聞けない」といった事例をこれまで見聞きしてきました。肝心なのは情報の中身であるはずですけれどね。

・経営者やコンサルタントの会話
自分の自慢話や関係者の批判話によく遭遇するからこの手の会合や飲み会にはあまり出席しないとのこと、まったくもって同感です。今まで同席していた仕事仲間がトイレに立った途端、その人の悪口を言い始めたということもありました。

・選択に正しいも誤りもない
ある程度考えた上での選択に正しいも誤りもない、大事なのは決めた選択を正しいものにすることだということです。これは経営だけでなく、あらゆることに言えるのではないかと思います。十分な情報に基づく遅い決定より、限られた情報の中での早い決定の方が勝るというのも頷けます。

ネットでの書評では青少年から小銭を巻き上げるビジネスモデルは感心しないなど、著書の内容とは関係ない指摘もありますが、組織運営や従業員満足という点ではかなりうまくいっているのではないかと思いました。球団買収で好奇の目にさらされた形の同社ですが、その本質を知るにはよい本だと思います。かつてのライブドアとはかなり違いますね。

もっとも、このネットでの書評については以前から懐疑的な点があります。ある経営学者の著書については、冒頭に「日本を代表する研究者である」から始まって批判のオンパレードです。その人がそのような存在であるというのは素人ではわかるはずもなく、明らかに同業者による妬みではないかと感じられました。おまけに「こんな本を読むならばこちらの方がお勧め」などと、他者の著書を推薦していたくらいです。

「新人類」とは今や死語でしょうが、今どきの若者の気質を理解するのにも、多様な人材をどう活用するかにも、また関係者の生死の話がいくつか出てきて人間ドラマとしても興味深いです。経営に関心がない人でも面白く読めると思います。
posted by bourbon_ueda at 00:00 | Comment(0) | 田舎暮らし
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